空ろの箱と零のマリア


空ろの箱と零のマリア

空ろの箱と零のマリア (電撃文庫)

久しぶりの御影瑛路の作品。
もう出ないのかなと不安に思っていたので、出てくれたのが嬉しいです。
そして、面白かった。


この著者の「僕らはどこにも開かない」が凄く好きなのですが、それに似た雰囲気を感じたりも。
平凡そうで実は変わった男の子が女の子に振り回されるという構図がかな。


騙されて、騙されて、騙されました。
最後の最後までですね。
繰り返しモノなわけですが、時間(繰り返し回数の方が適切か)の逆行もあるので、その中で徐々に謎が明らかになっていくものだとまずは騙されました。
その後も各所で騙されたり、ハッとしたりと楽しかったです。
真相を知りながらの再読においても興奮してしまいましたよ。
知っているからこそ楽しめたというのもあるでしょうし。


一樹と彩矢の関係が移り変わっていく様も良かったです。
振り回され、反発し、協力しと互いに必要な存在へとなっていく過程が、物語の進行と絡み合って楽しめました。
それに、主人公が自主的に動き出したほうが面白いですし。
繰り返しによって生じた一樹と彩矢の変化というものが今巻で重要な意味を持つわけですが、次巻にも影響するのだろうと考えると、この2人の関係のこれからの変化も楽しみに。
茂木さんの復帰が待ち遠しい。


続くと、主人公まわりは不幸な目にあうだろうと予期されるのが嫌な感じだなと。
それでも、続きは読みたいです。