ゆらゆらと揺れる海の彼方 10


ゆらゆらと揺れる海の彼方 10

ゆらゆらと揺れる海の彼方〈10〉 (電撃文庫)

凄く面白かったです。
今巻で外伝である皇国編もラストということで、それにふさわしい盛り上がりでした。
手に取った瞬間は厚いなと思ったのですが、読んでいたらそんなことを感じさせず徹夜で読んでいました。
書ききれなかったと思わせられる部分もあったりしたのですが、大満足の物語でした。


シグルドとギュンターのすれ違いが読んでいて辛いです。
ギュンターとの確執にどんどんと追い込まれていくシグルドには、早く決心して欲しいともどかしく思わされました。
守るべきものが出来たギュンターには、違った形で変わって欲しかったですし。
暗殺未遂を発端にした対立には、物悲しさよりも遂にかという思いの方が強かったです。
結末には2人のやりきれなさが伝わってきてたまらないです。
ただ、ギュンターの最後の行為にはどうしてと思ってしまいます。


他の登場人物に対しても様々なドラマが織り込まれていたのが、さらなる面白さの要因だなと。
エミリアとエレオノーラに関してはもちろんのこと、敵対陣営にも様々な思いを抱いてしまいます。
特に、エミールとテオドールには分かってはいながらも幸せになってほしかったなと。


次巻からは本編に戻るので、そちらも楽しみ。
外伝を読んでしまった以上、皇国側のキャラクターにも思い入れがあるので戦闘はどのような読み進めれば良いのだろうと思う気持ちも若干あったり。
それでも、早く続きが読みたいです。
ジュラたちが懐かしい。