C3-シーキューブ 4


C3-シーキューブ 4

C3―シーキューブ〈4〉 (電撃文庫)

これまでに比べると、黒に近かったような印象を受けました。
それでも、最終的には希望が残る展開だから後味は悪くないかなと。


今回は記憶、思い出を巡る物語だったわけですが、あそこまで強く記憶の消去を望む藍子の姿には悲しいものがありました。
逃げたくなる気持ちも分かりますし。
それでも、向き合っていこうとしているフィアたちは本当に強いのだなと。
逆に、奪われた春亮の思い出を取り戻そうこのはからも必死さが凄く伝わってきました。
彼女をあそこまでさせる思い出とは何なのか気になるな。
これから描かれることはあるのかな。
その思い出の中に本性を隠すきっかけみたいなものもあったりするのかとも思ったり。


何気に黒絵が要所々々で活躍している気がしました。
年長者としてのサポートが利いているなと。
もっと裏方的な登場しかないと思っていたので。
ただ、錐霞の出番は減ってしまったような。
ビブオーリオ家族会編が終わったので、次巻からは活躍するのを期待したいです。


この作者の物語の構成は好きだなと改めて思いました。
不意打ち的に事実が明かされるところが良いなと。
今巻で言うと、藍子が現れた原因について。
いきなり登場したことに違和感を持っていませんでしたよ。
自分が考えなさすぎなのかもしれませんが。


帯って偉大だなと、表紙画像を見ていつも思ってしまいます。