戦う司書と絶望の魔王
久しぶりの新刊で楽しみにしていたのですが、期待通り面白かったです。
ルルタの過去に興味が尽きず、今回も物語に引き込まれました。
今巻は今までほどに突飛というか、予想を裏切るような展開は少なかったかな。
ただ、ルルタの印象については翻弄されました。
最初、本当は弱い部分があったために現在の姿があるのかなと予想したのですが、読み進めていくうちに弱さのない存在なのかなと思うようになりました。
それがまた違って、最初抱いたものがあっていたことがわかったといった感じです。
そんなルルタとニーニウの物語が純粋に描かれるだけに、悲しみにあふれているというか。
さらにルルタの願い、幸福を求める行動原理が氷解したのですが、それを叶える手段が思い浮かばないというのが一層拍車をかけているなと。
チャコリーに関しては今までの印象と随分違ったなと。
てっきりニーニウのような存在だとばっかり思っていたので。
これでもう全てなのかな?
最後の最後でハミュッツの登場だったわけですが、良いところで終わりすぎです。
前巻から今後が全く予想出来ないままで、次巻が楽しみで仕方ない。
ハミュッツが何をしでかしてくれるのか、どういった決着を迎えるのかと気になることばかりです。
最終巻が待ち遠しい。