マージナル 5


マージナル 5

マージナル 5 (ガガガ文庫)

面白かったです。
この先どうなってしまうのかとハラハラさせられっぱなしでした。


今巻は外伝みたいなもの。
宇佐美風香の友人でもあり、事件の犯人でもある音羽視点で物語が進行するので緊迫感があって良いです。
殺人のデメリットを理解しながらも選択してしまう過程、具体的な方法を模索する過程。
どちらも危うさの上に成り立つもののため、先の展開に目が離せなかったです。
特に具体的な方法を模索する過程は、時間制限のなかで候補を見出しては実現性を考えて諦めるを繰り返す音羽の焦りが伝わってきて、読み進めるのに緊張したりも。
殺害される光代が振るう小夜歌への暴力が醜く描写されるだけに、音羽に感情移入しやすいというもありますね。
計画の成功を祈ってしまいましたよ。


それでも、京也の登場はまだかまだかと思ってしまったのも事実。
宇佐美が登場するだけに途中でちょこっとした出番はあるのかなと思っていたのですが、ラストに満を持しての登場ですか。
最高に興奮してしまいした。


次巻の後編では京也と音羽、小夜歌の対決になるのでしょうが、どんな風に追い詰められ、どのような決着を迎えるのか楽しみで仕方ないです。
早く続きが読みたい。


前巻を読んで京也、御笠、宇佐美の三角関係といった展開を期待したりもしたのですが、甘かったですね。
まぁ物語自体が外伝(みたいなもの)のため、登場しないという問題がありますが。
宇佐美と京也の絡みは次巻ではあると思うので、そちらを楽しみにしたいと思います。