この広い世界にふたりぼっち


この広い世界にふたりぼっち

この広い世界にふたりぼっち (MF文庫J)

良かったです。
読んでいて興奮するというような面白さではなく、じわじわと物語に引き込まれていくといった感じかな。


咲希と月喰いのやりとりが良いですね。
狼である月喰いに「私と結婚してもらえないだろうか」と言われ、平然と了承してしまう咲希がなんとも凄い。
そして、手玉に取っているのがさらに凄い。
そのくせ、咲希にも月喰いに依存している部分があったりするも良いです。
1人と1匹の関係は異質であるはずなのに、おかしく思えない関係というのは面白いなと。


物語としては破滅的のような違うような。
もともと孤独な立ち位置にいる2人が残っているしがらみを断ち切る展開。
けれども、旅立つという観点では破滅的には捉えられないし。
なんか希望に満ちている終わり方のような気がしてきた。


これは続きが出るのだろうな。
出てくれないと、色々と気になる点が多すぎ困ります。
元となっている神話について知識があれば何を意味しているのか理解できる部分もあるのだろうか。
神話の侵食という部分が一番謎ですし。
続刊に期待したいです。