円環少女 ⑥太陽がくだけるとき

面白かったです。


どんどんと追い詰められながらも、あがき続ける仁の姿には読んでいてつらく思える部分も。
なんでここまで苦しめられなくてはならないのかと。
舞花の真相とか、心に重くのしかかってきてしまいます。
単純な物語ではないからこそ、ひとつの願いのためにあがくという行為を格好良いと思うことはできないのだけど、抗ってもらいたいとも思ってしまうわけで。
ただただ心やすらげるところに辿り着いて欲しいと願うのですが、これからどうなっちゃうのでしょう。


国木田たちの物語に関しては、前巻よりも楽しめました。
というか、今巻ではこちら側のほうが楽しめた感があります。
学生運動とかに正直ピーンと来ない人間なので前巻では物語に入り込めなかったのですが、この巻で描かれた国木田の考えの根幹となるエピソードはそれよりもわかりやすかったというのがあるのかな。
国木田、清水、寒川淳それぞれの物語が楽しめました。
だからこそ、寒川淳の月光仮面が凄くよかった。