秋津楓はアたらない


秋津楓はアたらない

秋津楓はアたらない! (一迅社文庫)

面白かったです。
やっぱり、この著者の書く物語は好きだな。


第1話では超常現象を解決していくドタバタコメディ主体の物語という印象でした。
あらすじで予期した通りかな。
それが第2話の真相が明らかになるところから、切なさが加わることで一気に引き込まれてしまいました。
トイレから出られないという気の抜けた展開だったために、落差にもやられてしまいました。
その後の第3話と第4話とコメディを混ぜつつも切なさの詰まった物語が本当に良かった。
第3話での芳助の選択が第4話で明らかになるところ、そしてその間にある告白は胸に来るものがあって没頭して読んでいました。
各話が独立しつつも、芳助と関連して繋がっていて何かしらの意味があるところも楽しめた要因です。


ただ、問題があるとしたら「芳助と柊」の物語という印象のほうが強い点かな。
「芳助と楓」のラブコメディという認識もあるけれども、ラブという点では「芳助と柊」の印象のほうが強いですし。
なので、ぜひとも続きが読みたいです。
「芳助と楓」の物語になるのでしょうし。
芳助が柊へ最終的にとった態度の理由を楓には使えないのだよな。
楓にとっては本物なのだから。
それに楓が真相に気づくのは何時なのか、気づいた後の反応は、なども気になります。
アルジャーノンという名前からつい超常現象の消失も予期してしいますし。
あぁ、続きが読みたい。