その日彼は死なずにすむか?
とても面白かったです。
暖かい物語で大満足です。
人生をやり直す上で様々な問題に直面するのですが、解決に関してはあっさりといった印象です。
もっと陰湿な展開になってしまうのかなとも予想したりしたのですが、そんなことはなく簡単に解決に至ってしまうなと。
それでも不満に思えなかったのは、全編をとおしてちょっとした勇気というものが根底にあるからかな。
少しの勇気でも振り絞ることで良くしていけるということが素直に伝わってきました。
人生のやり直しに失敗したら死んでしまうという設定にも関わらず、緊迫感よりも暖かい気持ちになれるというのもこの作品の魅力かな。
ソフィアの鋼一にみせる素直な好意も良かったです。
母親に相談して鋼一を意識するシーンや嫉妬して泣き喚くシーンは微笑ましいなと思えました。
マキエルに対しては、最初は意地悪なキャラなのかと思ってしまいました。
ですが、話が進むにつれ見せる鋼一に対する優しさもあって凄く良いやつだなと思えて、別れのシーンとか心に来るものがありました。
本当に暖かい気持ちになれる良い作品でした。
この著者の次の作品がぜひ読みたいです。
自分を基準で考えてしまったので、小学生の描写に携帯が出てきて、違和感あるなと思ったりしちゃいました。
7年では小学生に戻れないものなぁ。