輪環の魔術師 闇語りのアルカイン


輪環の魔術師 闇語りのアルカイン

輪環の魔導師―闇語りのアルカイン (電撃文庫)

ひとつ前の感想で書いていた相性云々で言うと、この著者との相性は凄く良いのではないかと。
つまらないと思ったこと無いですし。
安定した面白さを感じながら、凄く面白いと思わされることもしばしば。
そんなわけで、今シリーズもとても楽しみにしていました。


感想になるわけですが、興奮が止まられないというのがまずあります。
まさかの登場に本当に驚かされました。
マリアンヌ、ルールーブ、レティスマといった単語が出てくるたびに嬉しさがこみ上げてきます。
パラサイトムーンが大好きなんですよ。
2つの作品で直接的なつながりは無いのでしょうけど、色々と想像させられて。
自分は単純だなと思いつつも、楽しくて。


続いて物語自体の感想なわけですが、今まで以上に地味のような。
読んでいる途中は興奮しっぱなしだったのですが、読み終わって改めて考えるとそのような気がしてしまいました。
主人公であるセロや還流の輪環に関する事柄といったことはわかりやすい形で示唆されてましたし、あまり複雑さみたいなものを感じなかったのが要因かな。
面白いと思いましたし、気になるところもあるのですが、そんな印象も。


本作のヒロインであるフィノはずいぶんと積極的だなと。
恋愛面でのもどかしさというものは、今までのシリーズに比べれば少ないのかなという思いもありつつ、これからの展開が楽しみですね。
本心が表れる時にでる"私のセロ"という言葉も気になりますし。
幼き日の約束というのが関わっているのかな。
なんというか完全に僕のツボです。
そういえば、今回は年上なんですね。


猫、アルカインについてはやっぱり「長靴をはいた猫」を思い浮かべてしまうのですが正しかったようで何より。
彼の本当の姿についても、いつ明らかになるのか楽しみ。


個人的に気になる部分について。
オルタフの名が冠された魔道具について、なんか単純な能力だけでないような気がしてならないというか。
フィノの本性にある程度関与しているのかなと穿ってしまいます。


今回も面白い物語になりそうでこれからが楽しみです。
どんな展開になるのか、どんな魔道具が出るのか色々と期待していたいと思います。