あの日々をもういちど


あの日々をもういちど

あの日々をもういちど (HJ文庫)

面白かった。
綺麗なお話に弱いのですよね。
凄く雰囲気の良い作品でした。
帯の純愛という言葉に魅かれたのですが、その言葉通りでした。


なんといっても、流と夕凪の関係が好き。
400年語の世界に蘇って戸惑い、存在意義を失っていた流が、夕凪と再会することで生きる意味を持っていくのが良いのですよね。
たとえ夕凪が親の仇のために追って来たのであっても、喜びを感じている流が本当に生き生きしているのですよね。
そして、本当の気持ちに気づく2人がもう。
想いを伝えるシーンなんて最高です。
互いに想いをぶつけあうところがたまらないです。
そして、甘える夕凪の可愛さといったら。


鬼との対決シーンに関しても盛り上がってしまいましたね。
別に、奇抜な展開みたいなものとかはなく、お約束みたいな感じなのですが熱くなれました。
それまでの積み上げが良かったのかぁ。


脇役のキャラクターたちも好きだな。
圭介と春乃の関係の変化が特に良いですね。
高杉や孝治といった親父キャラもカッコよかったし。
ただ、茅乃が不憫で仕方ないです。


物語りとしては驚愕の展開みたいなものはないのだけど、凄く丁寧に描かれているというのかな。
ただただ純粋に綺麗な物語として楽しむことが出来ました。